WordPressでの会員サイト作り方:ビジネス利用で選ぶべき正解とは?

WordPressでの会員サイト作り方:ビジネス利用で選ぶべき正解とは?
WordPressマイページ・会員サイト

「WordPressで会員サイトを安く、手軽に作りたい」。そう考えて検索を始めた担当者の方も多いのではないでしょうか。確かにWordPressは世界シェア1位のCMSであり、プラグインを使えば会員サイト機能の実装自体は容易です。

しかし、ビジネス利用においては「作れること」と「安全に運用できること」は全く別物です。特に個人情報を扱う会員サイトでは、WordPress特有のセキュリティ脆弱性や、プラグイン更新に伴う不具合のリスクが常に付きまといます。

本記事では、一般的な「WordPressでの作り方」を解説すると同時に、ビジネス要件を確実に満たすための選択肢として、高セキュリティな顧客管理システム「クライゼル」や、「kintone」とプラグインを使って会員サイトをつくる方法も解説し、Wordpress利用とクライゼル等を利用した2つの方法について比較します。会員サイトをつくる際の検討の一助になれば幸いです。

こちらのページでもご紹介しております、月額1万円から利用できる「クライゼル」の概要は以下の動画でご確認いただけます。ぜひご覧ください。

この記事の著者
服部誠

トライコーン(株)
Senior Vice President of Marketing。
同社 元取締役COO
Web広告、CRM、CDP、データ可視化などお客様のWebマーケティングの課題解決に長年従事。
Salesforce Marketing cloud メールスペシャリスト / アドミニストレータ / コンサルタントおよび、Salesforce アドミニストレータの各認定資格を保持。
Markezine Dayでの登壇や、自社ウェビナー共催セミナーでの登壇実績多数。

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会員サイト構築の目的と種類を再確認する

まず最初に会員サイト導入の目的を定義することはプロジェクトの成功に欠かせません。ラフな定義でもいいのでまずは、以下を参考にして自社の目的と用途を文章化してみましょう。

なぜ今、会員サイトが必要なのか

今、多くの企業や団体が会員サイト構築をする最大の理由は、「顧客接点のデジタル化による顧客の利便性の向上と自社業務の効率化」です。

引っ越したので住所を変更したい、現在の契約内容を確認したい、過去の購買履歴や修理履歴を確認したいなど顧客が企業や団体に確認したいことは山ほどあります。これらに対して従来の人的な対応では、受付時間が限られる、電話がつながるまでに待たされるなどユーザの利便性は高くありません。

それを会員サイトによる「セルフサービス化」へシフトすることで、24時間365日、顧客が自ら必要な情報にアクセスできる環境を提供できます。これは顧客満足度(CS)を高めるだけでなく、社内のバックオフィス業務(電話対応等)の大幅な削減に直結します。

会員サイトの主要な用途

現在、会員サイトの多くは「IDとパスワード」によるクローズドな形式が一般的です。これは、限られた特定の顧客に対して公開できない情報(登録情報、契約内容、価格表、技術資料など)を安全に提供するためです。オープンなWebサイトでは実現できない「一歩踏み込んだ情報共有」が可能になり、顧客との強固な信頼関係を築く基盤となります。

代表的な会員サイトの用途例
※以下すべてにおいて、登録顧客情報の確認・更新機能(マイページ機能)が必須です。

  1. カスタマーサクセス・サポートサイト
    • 製品マニュアル、FAQ、トラブルシューティング動画の提供。
  2. 販売代理店・パートナー専用ポータル
    • 最新の販促資料(パンフレット・提案書)の配布や在庫状況の共有。
  3. オンラインセミナー・動画学習プラットフォーム
    • 会員限定のウェビナー配信や、過去のアーカイブ視聴によるナレッジ共有。
  4. 契約・請求・注文管理ポータル
    • 過去の注文履歴の照会、請求書のPDFダウンロード、電子契約の進捗確認。
  5. 製品オーナー・保守管理ページ
    • 導入済み製品のアップデート情報の通知、保守点検スケジュールの確認と予約。
  6. 学会・協会・士業団体の会員管理
    • 会報の閲覧、年会費の決済、登録情報の変更(住所・勤務先など)のセルフ化。

【徹底比較】会員サイトの構築手法と選び方

会員サイトの用途が明確になったら、次に決めるべきは「どのプラットフォームで構築するか」です。 構築手法は大きく分けて「wordpress+プラグイン型」「ASP・SaaS型」「フルスクラッチ型」の3つに分類されます。

「フルスクラッチ型」は構築費用も保守・運用費用も高額になるので、最近は「wordpress+プラグイン型」または「ASP・SaaS型」で構築するケースが増えています。今回はその2つの方法に絞って比較をします。

ビジネス利用において、どちらが自社の要件(セキュリティ・コスト・運用体制)に合致しているか、以下の比較表で確認してみましょう。

比較項目WordPress+プラグイン型ASP・SaaS型
主なツール例WordPress+プラグイン(Simple Membershipなど)クライゼル、または
kintone+プラグイン(kviewerなど)
システム所在自社用意のサーバーベンダーのクラウド環境
顧客情報の所在WordPress等の上のDBベンダーサービス上のDB
初期費用自社構築時:低(数十万円~)
外注時  :中(数百万円〜)
自社構築時:低(数万円~)
外注時  :中(百万円〜)
構築期間3ヶ月〜半年数日〜2ヶ月
保守・セキュリティ自社または委託業者で対応ベンダーが全て対応
カスタマイズ性自由(コード改修可)・HTML/CSS/Javascriptレベルで対応可能
・APIの範囲内で対応可能
TCO
(Total Cost of Owenership)
高い(数百万円〜)
(特にシステム保守・運用コストが高くなる)
低い(数十万円〜)
向いているケース担当ITスタッフがいる、
独自機能も汎用性も欲しい
早期構築・セキュリティ重視
担当のITスタッフ不在

では、それぞれに関してもう少し深堀して確認します。

WordPress+プラグイン活用

WordPressにSimple Membershipなどのプラグインをインストールして構築する手法です。

  • メリット: オープンソースのCMSであるWordPressに会員サイト用のプラグインSimple Membershipを追加する形のため、自社内にITスタッフがいれば比較的早く、安価に立ち上げることが可能です。
  • デメリット: WordPressを動かすサーバ環境とWordpress環境を自社で構築する必要があります。自社内にITスタッフがいない場合は、外部に依頼します。
    • 日々の運用(データのバックアップ、異常検知、異常時のシステムのリスタートなど)の運用体制の構築が必要です。
    • 定期的な保守作業(サーバソフトやwordpressやプラグインの最新版への更新作業)が必要です。
      これらを怠ると、サーバー環境、Wordpress、プラグインの脆弱性を突かれた際、システム停止や個人情報漏洩などのリスクが高まります。

「ASP・SaaS型」の利用

「クライゼル」や「kintone+プラグイン」といった、堅牢なセキュリティを備えたクラウドサービスを利用する手法です。

  • メリット: 最も重要な「顧客データ」を、高セキュリティなベンダーの環境で保護できます。 システム運用や保守をベンダー側がおこなうため、自社にITスタッフがいない場合でも安心して利用できます。
    • 会員サイトだけではなく、会員情報を活用したメールマーケティングも実施することができます。
  • デメリット: 基本的にはベンダーが提供する機能の範囲内での運用となります。独自のカスタマイズをしたい場合には、HTML/CSS/JavascriptやAPIなどによる開発(別途費用)が必要になります。

見落としがちな「TCO」と「セキュリティ」の視点

会員サイトを構築を検討する際、初期費用(イニシャルコスト)だけに目を奪われがちですが、ビジネス利用ではTCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)と、セキュリティの視点が欠かせません。

WordPress+プラグイン構成で自社構築する場合は初期費用を抑えられる反面、数年単位で見ると「セキュリティパッチの確認・適用・テスト」「プラグインの競合解消」「サーバーの増強」といった目に見えない保守・運用コストが膨らみ、結果としてASP・SaaS型よりも高額になるケースが多々あります。

当社でも、Wordpress+プラグイン、ビジネス向けCMSクラウドサービス、クライゼル、kintoneなど複数の仕組みを使っていますが、Wordpress+プラグインの保守・運用コスト(含む人的コスト)はバカにできない状況になっています。

また、会員サイトは顧客データを格納するのでセキュリティに関して十分注意する必要があります。

「自社に専門のIT担当者が常駐しているか」「社内のセキュリティ基準を満たせるか」を基準に、持続可能な手法を選択することがプロジェクト成功の鍵となります。

【実践】WordPress+プラグイン(Simple Membership)を用いた会員サイトの作り方と注意点

「コストを抑えてまずはスモールスタートしたい」という場合に選ばれるのが、WordPressプラグインを利用した構築です。ここでは、代表的なプラグインである「Simple Membership」を例に、具体的な構築ステップを解説します。

文中には公式ドキュメント等のURLを記載しています。最新の公式ドキュメントを「正」として作業を進めることが、予期せぬトラブルを防ぐ近道となります。

構築の5ステップ(公式リファレンス付)

WordPressで会員サイトを自社構築する場合、単にプラグインを入れるだけでなく、インフラの準備から段階を踏む必要があります。

ステップ1:サーバーおよびサーバーソフトの準備

WordPressを安全かつ安定して動かすための土台を作ります。

  • 1.1 サーバーの選定と契約: ビジネス利用に耐えうる安定性、高速な処理能力、バックアップ体制を備えた環境を選定します。
  • 1.2 独自ドメインとSSLの設定: 会員サイトは個人情報を扱うため、独自ドメインの取得と常時SSL化(https)は必須要件です。
    • 独自ドメイン取得例:XServerの場合はこちらを参照
    • SSL化例:XServerの場合はこちらを参照
  • 1.3 データベースの作成: WordPressのデータを格納するための専用データベース(MySQL/MariaDB)を作成します。

ステップ2:WordPressのインストール

サイトの基盤となるWordpressをセットアップします。

  • 2.1 プログラムの設置: 最新のWordPressをダウンロードし、サーバーへアップロードします。
  • 2.2 有名な「5分間インストール」の実行: 設定ファイルを作成し、データベースと接続してインストールを完了させます。
  • 公式マニュアル: WordPress のインストール(公式)

ステップ3:プラグインのインストールと初期設定

会員管理機能を追加するためのプラグインソフトを導入します。

実務で押さえておくべき設定詳細

インストール完了後、実際に会員を管理するための設定を行います。

  1. 会員レベルの管理 「無料会員」「有料会員(月額)」など、複数のランクを設定できます。ランクごとに閲覧できるコンテンツを細かく制御することが可能です。
  2. 固定ページの保護 記事の下部に表示される「保護設定」のチェックボックスをオンにするだけで、非会員には「このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です」というメッセージを表示させることができます。
  3. メール通知のカスタマイズ 新規登録完了時やパスワード忘却時の自動返信メールを編集できます。ビジネス利用の場合は、ここに問い合わせ先や利用規約のリンクを忘れずに記載しましょう。

高いセキュリティを実現する「ASP・SaaS利用」という選択肢

WordPressでの構築に限界を感じる場合や、効率的な保守や運用を求めるビジネス利用において、有力な選択肢となるのが「ASP・SaaS」の活用です。

自社でサーバーやソフトを維持管理する負担をなくし、プロフェッショナルな基盤の上で会員サイトを運用する2つの具体的な解決策をご紹介します。

解決策①:高セキュリティ顧客管理システム「クライゼル」の活用

トライコーンが提供する「クライゼル」は、官公庁や大手企業にも採用されている高セキュリティなCRM(顧客管理システム)です。会員サイト作成機能をもち、それに加えて会員管理、フォーム作成、メールマーケティングの機能を持っています。月額費用も1万円から利用できます。また、14日間の無料トライアルもあるので、まずは無料試用がおすすめです。

  • 仕組み: ISMSやISO27017(クラウドサービスセキュリティ)の認証を取得しているトライコーンが管理運営する強固なITインフラ環境上で稼働するクラウドサービスです。
  • 会員サイト構築の3ステップ(概要):
    • ステップ1: クライゼル内で会員データベースと情報登録・更新用のフォームを作成
    • ステップ2:会員サイト(マイページ)を作成。会員サイトはHTML/CSS/Javascriptで作成するので自社要望に合ったデザインで会員サイトを構築できます。制作代行は弊社でも承っております。
    • ステップ3: 会員データを登録またはアップロードします。
  • クライゼル利用のメリット:
    • ITインフラ(サーバ、サーバーソフトなど)は全てトライコーンが準備しますので、お客様はいつでもすぐに利用開始できます。また、ITに詳しくなくても利用可能です。セキュリティは、トライコーン側が担当します。クライゼルは多くの大企業や公官庁でも利用されている、高セキュリティシステムですので会員情報を安全に格納できます。

クライゼルの会員サイトデモカタログをダウンロードできます

解決策2:kintone + 専用プラグインによる柔軟な構築

サイボウズ社が提供する「kintone」をデータベースとして、kintoneプラグインソフトを組み合わせてつかうことで、会員サイトを構築できます。

kintoneは業務改善プラットフォームとして広く使われており、官公庁や大手企業にも採用されている高セキュリティなクラウドサービスです。月額18,000円(10ユーザライセンス時)から利用できます。

弊社ではkintoneとプラグインソフトを利用した会員サイト構築のご支援もしております。詳細はこちらをご覧ください。

  • 仕組み: kintone内に顧客データを格納し、そのデータを外部公開・編集可能にするプラグインを組み合わせて実装します。プラグイン利用は以下の2つ方法(パターン)が代表的です。
    • パターンA: 「フォームブリッジ(登録用プラグイン)」+「kViewer(閲覧用プラグイン)」
    • パターンB: 「EverySite(エブリサイト)」会員サイト特化型プラグイン
  • 構築の3ステップ(概要):
    • ステップ1: kintoneで会員情報を管理する「アプリ」を作成。
    • ステップ2: 連携プラグインを設定し、kintone内の情報をWebサイトとして表示・更新できるページを生成。
    • ステップ3: 会員データを登録またはアップロードします。(kintone内に会員データが既に登録されている場合はこのステップは不要)
  • メリット:
    • ITインフラ(サーバ、サーバーソフトなど)は全てkintone提供元のサイボウズ社と、プラグイン提供元のベンダーが準備しますので、お客様はいつでもすぐに利用開始できます。また、ITに詳しくなくても利用可能です。
    • 既にkintoneをほかの業務で使っている場合、新たにkintoneのライセンスを購入しなくても会員サイト用のアプリ制作ができます。

まとめ:ビジネスの成長と安全を両立させる会員サイト構築を

WordPressでの会員サイト構築は、プラグインを活用することで手軽に始められる大きなメリットがあります。しかし、本記事で解説した通り、ビジネス利用においては「構築して終わり」ではなく、その後の「保守運用」と「セキュリティ維持」にかかるコスト(TCO)やリスクを正しく評価することが不可欠です。

改めて、自社に最適な選択肢を整理しましょう。

  • WordPress+プラグイン型が向いているケース:
    • 社内に専任のIT担当者がおり、日々のアップデートやセキュリティ監視を自社で完結できる。
    • 扱うデータに機密性の高い個人情報が含まれず、万が一のシステムダウン時の影響が限定的である。
  • SaaS・ASP型(クライゼルや、kintone+プラグイン)が向いているケース:
    • セキュリティを最優先し、個人情報漏洩のリスクを排除したい。
    • ITインフラの運用・保守を専門ベンダーに任せ、本来の業務であるマーケティングや顧客対応に集中したい。
    • メール配信やCRM(顧客管理)と連動させ、戦略的な顧客コミュニケーションを実現したい。

会員サイトは、顧客との信頼関係を築くための重要なプラットフォームです。目先のコストだけでなく、数年先の運用を見据えた「安心・安全な基盤」選びをぜひ検討してください。

会員サイト構築(マイページ開発システム)にも使えるCRMプラットフォーム「クライゼル」のカタログは下記からダウンロードいただけます。機能・料金表の記載もありますので、ぜひご覧ください。
クライゼルカタログ資料ダウンロードリンク
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