メールマーケティングにおいて、開封率は最初に注目すべき重要な指標です。どれほど魅力的なコンテンツを作成しても、メールが開かれなければ、そのメッセージは顧客に届きません。この記事では、メールマーケティングの開封率を向上させるための今すぐ使えるテクニックをまとめています。
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メールの開封率とは?
メルマガの開封率とは、「配信に成功したメールのうち、実際に受信者がメールを開いた割合」を示す指標です。メールマーケティングの効果を測定する上で、最も基本的かつ重要なKPIの一つとされています。
一般的には以下の計算式で算出されます。
開封率(%)=(開封数 ÷ 有効配信数※)× 100
※有効配信数:総配信数から、アドレス不備などでエラー返送された数を除いたもの
なぜ開封率が重要なのか?
どんなに魅力的なコンテンツやお得なキャンペーン情報をメールに記載しても、メールが開かれなければその内容は読者に伝わりません。開封率は、読者が最初に目にする「件名(タイトル)」や「配信タイミング」の適切さを評価するためのバロメーターとなります。
まずは自社の業界平均値を目標に、開封率の改善から着手することがメールマーケティング成功への第一歩です。
メール開封率を左右する4つの要素
メールの開封率は、「件名」「配信時間」「セグメント」「送信者情報」の4つの要素によって左右されます。ここではこの3つに対して具体的なポイントを記載していきます。
1.魅力的な件名にする
件名は、メールの顔であり、受信者が最初に目にするものです。また4つの要素のなかで一番改善しやすい部分でもあります。
魅力的な件名を作成することは、開封率を向上させるための最も重要なステップの一つです。件名を作成する際には、以下のポイントを意識しましょう。
| ポイント | 具体例文 | 解説 |
|---|---|---|
| 具体性 | 「50%OFFセール開催中」 「限定クーポンプレゼント」 | 件名に具体的な情報を含めることで受信者の期待感を高めます。 |
| 緊急性 | 「本日限り」 「期間限定」 「残りわずか」 | 今すぐ行動をしないと損をする印象を与え、受信者の行動を促します。ただし、過度な緊急性の演出は逆効果になることもあるのでやりすぎには注意が必要です。 |
| 有益性 独自性 | 「9割の人が知らない」 「○○業界の裏側を暴露」 「シミの原因は○○!?」 | 好奇心を刺激する言葉や、読むことでメリットのある表現を使うことで、受信者の興味を引きます。目を引くキーワードを選びましょう。 |
| パーソナライズ | 「○○さまへ特別なお知らせ」 「○○地区にお住いの皆さまへ」 「3月誕生日の○○様へ」 | 受信者の名前や属性を件名に含めることで、開封率が向上します。 |
| スマホでも読める文字数 | 全角で10文字~20文字 | スマートフォンでメールフォルダを開いた際に、表示される文字数(これ以上長いと「…」で省略されることが多い) |
| ひらがなと漢字のバランス | ひらがな7割 漢字3割 | 読みやすい日本語の文章は、「ひらがな7割:漢字3割(+カタカナ0〜1割)」が黄金比と言われています。漢字が多すぎると「硬い・難解」な印象を与え、ひらがなが多すぎると「読みにくい」印象を与えます。 |
特に、Urgency(緊急性)、Uniqueness(独自性)、Ultra-Specificity(超具体性)、Usefulness(有益性)は、セールスライティングの効果的な手法で「4Uの原則」と言われています。すべてのUを盛り込む必要はありませんが、1〜3つのUをバランスよく組み合わせると効果的です。
プリヘッダーを設定するのもおすすめ
プリヘッダーとは、メールの受信画面において「件名のあとに表示される短いテキスト」のことです。スマートフォンの通知画面やメール一覧で、本文の冒頭部分がチラリと見えている箇所を指します。

「件名」で興味を引き、「プリヘッダー」で内容を補足して開封を促すことから、マーケティングの世界では「第2の件名」とも呼ばれる非常に重要な要素です。
悩んだらABテストの実施
メール件名Aとメール件名Bで、どちらが開封率が高いのか図るにはABテストが有効です。反応率が高い件名を発見して、メールマーケティングの効果を長期的に改善していきましょう。
2.最適な配信時間を見つける
メールの開封率は、配信時間によって大きく変動します。ターゲットとする顧客層の行動パターンを分析し、最も効果的な配信時間を見つけることが重要です。
以下のように、ターゲット層がスマホやメールボックスを見るタイミングを推測します。セグメントの切り方で、配信すべき時間が異なることが分かります。
| ターゲット層 | 時間 | 曜日 |
|---|---|---|
| ビジネスパーソン | ・通勤時間帯(午前7時〜9時) ・お昼休憩時間(12時〜13時) ・退勤時間帯(17時〜19時) | 平日 |
| 主婦・主夫 | 11:00-14:00(家事の合間)、21:00-24:00(就寝前) | 平日 |
| 学生 | 8:00-9:00(通学)、21:00-22:00(夜のくつろぎ) | 平日 |
| シニア層 | 8:00-12:00(朝食後、早めの時間帯) | 全日 |
さらに、ターゲット層の中をさらに年代別や性別に分類することで、また違った配信時間が適している場合があります。自社の商品やペルソナを分析して、配信時間を決めましょう。また、PDCAを回すためにも、それぞれの時間帯での開封率をレポーティングして、最も効率の良い時間帯を探っていく必要があります。
当社BtoBメールマーケティングの実例
当社のBtoBメールマーケティングの場合、月曜日・金曜日の開封率は悪くなる傾向があります。休日直前も避けた方が良いため、基本的には火~木の平日お昼前に送信することが多いです。
3.ふさわしいセグメントを選定する
「誰に送るか」は、開封率に最も劇的な変化をもたらす要素です。全リストに対して同じ内容を送る「一斉配信」ではなく、顧客の属性や行動履歴に基づいてグループ分け(セグメント)を行い、そのグループに最適な内容を届けることで、開封率は飛躍的に向上します。
- 具体的な絞り込み例:
- 属性データ: 性別、居住地、年代、役職など
- 行動データ: 過去の購入商品、最終購入日、過去のメール開封の有無
- ポイント: 「自分に関係がある内容だ」と直感的に思わせることが重要です。例えば、関東限定のイベント告知を全国の会員に送るのではなく、関東在住者にのみ絞って配信することで、情報のマッチ度が高まり、開封への心理的ハードルが下がります。
4. 送信者情報(差出人名)
「誰から届いたか」が不明確なメールは、警戒されたり、無視されたりする可能性が高くなります。受信ボックスの中で件名と同じくらい目に入るのが「送信者名」です。ここを適切に設定することで、ブランドへの信頼感や親近感を醸成できます。
- ポイント:
- 認知されている名称を使う: 会社名だけでなく、サービス名やブランド名を記載します(例:株式会社〇〇 ではなく「〇〇ショップ公式」など)。
- 担当者名を添える(BtoBの場合): 「株式会社〇〇 山田」のように個人名を出すことで、1対1のコミュニケーションであるという印象を強め、開封を促す手法も有効です。
- 一貫性を持たせる: 送信者名を頻繁に変えると、読者が「いつものメールだ」と認識できなくなります。基本的には固定の名前を使用し、安心感を与えましょう。
業界別のメールマーケティング開封率
世界的にメールマーケティングツールを提供するPolaris Software, LLCの「2026 Email Marketing Benchmarks」によると、全業界におけるメール開封率の平均は25.54%です。業界別の平均開封率やクリック率、配信停止率は以下です。
| 業種 | 開封率 | クリック率 | 配信停止率 |
|---|---|---|---|
| 銀行 | 37.72% | 1.98% | 0.09% |
| 不動産(住宅) | 30.13% | 1.29% | 0.14% |
| ITサービス | 28.16% | 0.61% | 0.09% |
| 経営コンサルティング | 22.79% | 2.07% | 0.12% |
| マーケティング・広告 | 19.14% | 1.75% | 0.12% |
| 法律サービス | 22.92% | 1.79% | 0.08% |
| 人材紹介・採用 | 27.85% | 0.29% | 0.06% |
| アパレル | 28.09% | 2.36% | 0.04% |
| 化粧品 | 28.26% | 0.54% | 0.13% |
| 家具 | 29.11% | 2.23% | 0.10% |
| スーパーマーケット | 43.49% | 8.05% | 0.11% |
| 食品・飲料製造 | 27.61% | 0.76% | 0.12% |
| 病院・医療 | 21.44% | 1.45% | 0.10% |
| 健康・フィットネス | 19.85% | 0.95% | 0.09% |
| 政府・官公庁 | 64.27% | 3.15% | 0.09% |
| 非営利団体 | 23.00% | 0.98% | 0.10% |
| 高等教育 | 19.47% | 1.26% | 0.09% |
| eラーニング | 21.27% | 5.83% | 0.03% |
| 旅行・観光 | 23.04% | 0.76% | 0.10% |
| ホテル・旅館・ホスピタリティ | 33.34% | 1.65% | 0.11% |
| スポーツ | 30.52% | 0.84% | 0.13% |
| 新聞 | 28.39% | 2.06% | 0.03% |
| 放送メディア | 38.21% | 0.95% | 0.40% |
| オンラインメディア | 25.99% | 1.42% | 0.11% |
| 出版 | 24.51% | 1.72% | 0.08% |
| 音楽 | 42.65% | 1.57% | 0.12% |
| 美術 | 45.25% | 1.92% | 0.19% |
| エンターテインメント | 29.21% | 0.72% | 0.13% |
| 製造業(機械) | 30.16% | 2.32% | 0.20% |
| 農業関連 | 33.06% | 2.60% | 0.13% |
| 建築 | 32.07% | 1.77% | 0.12% |
| その他 | 21.50% | 3.82% | 0.08% |
| 全体平均 | 25.54% | 1.45% | 0.10% |
メールの開封率を測定・調査する2つの方法
メールの開封率を把握するには、大きく分けて「測定用タグを自作する」方法と「メール配信ツールを活用する」方法の2通りがあります。
1.Googleアナリティクスを利用する
Googleアカウントを利用していれば無料で使えるツールで、HTMLメール内に画像タグを埋め込み、Googleアナリティクスの「イベント」を設定して計測します。イベントを設定すれば、クリック率やコンバージョン率、メルマガ経由での売り上げ金額把握など、開封後の行動分析にも活用できます。
ただしHTMLの中に画像を埋め込むため、技術的な知識が必要になります。
2.メール配信ツールの解析機能を利用する
現在、最も一般的かつ効率的な方法です。配信ツール側で自動的にトラッキングコードが付与されるため、配信後に管理画面を開くだけでリアルタイムの開封率を確認できます。
「より確実に、手間なく数値を追いたい」とお考えなら、高機能メール配信システム「クライゼル」のメール配信サービスがおすすめです。 クライゼルなら、HTMLメールの開封率測定はもちろん、誰がいつメールを開封したかの個別の特定や、その後のクリック測定までワンストップで完結。複雑な設定なしで、効果測定が完結します。
メールマーケティングで把握すべきKPI
メールマーケティングにおいて、ただメールを送るだけでは成果は上がりません。各施策が「読者の心に届いているか」を客観的に判断するために、以下のKPI(重要業績評価指標)を定点観測し、PDCAサイクルを回すことが不可欠です。主要な5つのKPIとその重要性について解説します。
- 開封率
- URLクリック率
- コンバージョン率
- 登録解除率(配信停止率)
- 有効配信率
当社のメールマーケティングのKPIは以下です。これを管理することで、今後送信するメールについての企画を立てやすくなります。
画像
1. 開封率(Open Rate)
「メールが読者の目に留まったか」を測る指標です。
- 定義:配信成功数のうち、実際にメールが開かれた割合。
- 重要性:どんなに中身が素晴らしくても、開かれなければ意味がありません。
- 改善のポイント: 件名(タイトル)の工夫: 読者のベネフィットを提示する、緊急性を持たせるなど。
- 配信タイミング: ターゲットがメールをチェックしやすい曜日や時間帯を検証する。
2. URLクリック率(CTR:Click Through Rate)
「コンテンツが読者の興味を引いたか」を測る指標です。
- 定義:メールの配信数(または開封数)に対して、本文内のURLがクリックされた割合。
- 重要性:Webサイトへの誘導や商品購入など、次のアクションへ繋がっているかを確認できます。
- 改善のポイント:
- CTA(行動喚起)の配置:ボタンのデザインや、クリックしやすい位置への配置。
- コンテンツの整合性:件名で期待させた内容と、本文のギャップをなくす。
3. コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)
「メールが最終的な成果(売上など)に寄与したか」を測る指標です。
- 定義:クリックしてサイトに訪れたユーザーのうち、購入や資料請求に至った割合。
- 重要性:メールマーケティングの最終的な投資対効果(ROI)を左右する最も重要な指標です。
- 改善のポイント:
- 遷移先ページ(LP)の最適化:メール内容と着地ページのデザイン・訴求を一致させる。
- ターゲット設定:適切なセグメント(興味関心)に、適切なオファーを届ける。
4. 登録解除率 / 配信停止率(Unsubscribe Rate)
「メールの内容が読者の期待に背いていないか」を測る指標です。
- 定義:全配信数のうち、配信停止(オプトアウト)を希望したユーザーの割合。
- 重要性:数値が高い場合、配信頻度が多すぎる、あるいは情報の質が低いという「ネガティブなフィードバック」と捉えるべきです。
- 改善のポイント:
- 配信頻度の見直し:毎日送るのではなく、価値ある情報に絞る。
- セグメント配信:ユーザーの属性に合わせて、不要な情報を送らない工夫をする。
5. 有効配信率(Delivery Rate)
「リストの鮮度と到達精度」を測る指標です。
- 定義:総送信数のうち、エラーにならずに受信ボックスへ届いた割合。
- 重要性:エラーメール(存在しないアドレスなど)を放置すると、プロバイダーから「スパム配信者」と見なされ、正常なメールも届かなくなるリスクがあります。
- 改善のポイント:
- リストのクリーニング:定期的にエラーアドレスを排除する。
- ダブルオプトインの導入:登録時に確認メールを送ることで、無効なアドレスの混入を防ぐ。
KPI活用のヒント
これらの指標は単体で見るのではなく、「どこに課題があるのか」を特定するために組み合わせることが重要です。
例:開封率は高いがクリック率が低い場合
「件名は魅力的だが、本文の内容が期待外れ、あるいはリンクが分かりにくい」といった仮説を立て、ABテストを行う材料にします。
PDCAを回すなら1つの要素を変えること
KPIを可視化することで、成果が出ないメールに対してどこに問題があるのか把握できるようになります。数値を通じて「どこに問題があるか」を特定できたら、以下のポイントを意識してPDCAを回しましょう。
1. 改善は必ず「1つずつ」行う
一度に「件名」と「配信時間」の両方を変えてしまうと、たとえ開封率が上がったとしても、「どちらが要因で改善したのか」が判別できなくなります。
- 例: 今週は「配信時間」だけを朝から夜に変えてみる。
- 例: 来週は「件名」にターゲットの名前を入れてみる。
このように変数を1つに絞ることで、自社にとっての「成功パターン」を確実に蓄積できます。
2. インパクトの大きい順に着手する
問題が複数見つかった場合は、まず「開封率」から改善することをおすすめします。 クリック率やコンバージョン率が低くても、母数となる「開封数」が増えれば、最終的な成果(コンバージョン数)は底上げされます。
3. 継続的な記録が「自社だけの正解」を作る
業界平均はあくまで目安に過ぎません。 「火曜日の11時に送ったら反応が良かった」「『限定』という言葉を入れるとクリックが伸びた」といった自社独自のデータを積み上げることで、ツールやAIには真似できない、読者との深い信頼関係が築けます。
最後に メールマーケティングは、一度設定して終わりではありません。KPIを羅針盤にして、小さなテストを繰り返していきましょう。その一歩一歩が、顧客とのエンゲージメントを高め、ビジネスの持続的な成長へと繋がります。
まとめ
弊社のメールマーケティングにおいても、地道な1つずつの検証を大切にしています。KPIを把握し、開封率が悪いメールに対しては、件名だけを変更して再度1カ月後に送信してみたり、CVRの悪いメールに対しては、HTMLのデザインされたメールから、テキストメールに変更して送信してみたり。まさにPDCAを回すという事を泥臭く行っています。
この記事が皆様のメールマーケティングにおいて一助になりますと幸いです。



