この記事では新たに会員サイトの構築を検討されている担当者様向けに会員サイト構築のステップを紹介しています。また、検討段階で多くの方が気にされる会員サイトの目的設定、概算費用、構築方法もあわせて紹介しています。
この記事が会員サイト構築の計画立案の参考になれば幸いです。
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会員サイト構築のステップ
会員サイトに限らずwebサイトを作成する際は、すぐにサイト構築(デザインやコーディング)をするのではなく、以下のようなステップを踏むことが大事です。以下に会員サイト構築のステップを記述します。
全体的な流れは以下のようなフェーズに分れます。
- 要求定義フェーズ
- 開発フェーズ(要件定義、開発、テスト)
- 運用フェーズ
それぞれのフェーズ毎にさらに具体的ステップをご説明します。
1)要求定義フェーズ
まずビジネス面から考えて、会員サイトに対してどのような要求事項があるのかを整理します。具体的には以下ステップで各事項を明確にしていきます。この作業は、自社ビジネスや自社の会員のことをよく理解している社内スタッフが中心となり実施するといいでしょう。会員サイト構築はシステム構築と比較して手軽に構築できるケースもありますが、そのような場合でもこの要求定義フェーズの各ステップのアウトプットを明確にしておくと、会員サイト構築を成功させて、ビジネスに貢献できる可能性が一層高まります。
ビジネス要件の理解と分析
まず、ビジネスの目標と要件を理解しそれらを分析します。この理解と分析結果によって、会員サイトに求めることがわかってきます。
例えば、既存ユーザからのリピート受注件数の拡大と、その受注受付業務を出来るだけ省力化して行うことが必要。といった様なことがこのステップでまとめられるとよいでしょう。
会員サイトの目的と目標の設定
会員サイトの目的(後述)と目標を明確に設定します。例えば、会員向け限定情報の提供、コンバージョン(リピート発注獲得など)、会員エンゲージメントの向上などが目的になります。
また、目的に応じた目標(KPI)をセットします。会員向け限定情報の提供であれば提供情報数や閲覧数がKPIになるでしょうし、コンバージョンであれば受注数や受注金額がKPIになります。
ターゲットユーザの定義
会員サイトを利用するユーザの属性を明確にします。会員サイトを利用するユーザ(会員)もカテゴリ分けできる場合が多いでしょう。同じ会員でも過去取引額の違いや、担当支店の違いなどで会員に対する扱いが異なる場合もあります。その違いを会員カテゴリごとに明確化しておきます。
会員サイトの概念設計
会員サイトの大まかな設計を行います。ここで会員サイトの主要な機能、会員サイトに必要なデータ項目、デザインの方向性を設計します。概算金額(後述)とラフスケジュールも検討します。
なお、会員サイトに必要なデータをどの社内システムとどのように連携するべきかはこの段階で明確にしておきます。特に社内システム側が会員サイトで必要なデータを必要な頻度で会員サイトと連携できないといった場合が考えられるからです。そのような場合、社内システム側の改修などが必要になると、会員サイト構築にも影響が出てきます。
社内合意(稟議承認)
企業で会員サイト構築する際、社内の合意を取っておく必要があります。担当者は、上述の事項に関して必要な社内合意プロセス(稟議など)を経て、リソース(ヒト、カネ、時間など)を確保します。
2)開発フェーズ(要件定義、開発、テスト)
要求定義フェーズでまとめた事項を基に、実際の開発を行います。このフェーズは、会員サイトやウェブサイトの構築に詳しい社内または、社外のスタッフ(含む外部制作会社等)が主となり実施することになります。このフェーズでは設計・開発の担当者と、発注部門(ユーザ部門)が密にコミュニケーションをとり双方の認識を合わせながらすすめることが重要です。そこでの合意事項は必ず書面化しておくことが大切です。
会員サイトの要件定義
ここでは会員サイトの機能要件、デザイン要件、技術要件(システム連携やDBの要件など)、非機能要件(運用上の要件、冗長性など)を定義します。
会員サイトの開発方法の決定
このタイミングで要件定義に基づき、開発方法を決定します。一般的には、CMSを活用した開発、ASPを活用した開発、フルスクラッチ開発があります。(後述)
会員サイトの設計、デザイン
ターゲットユーザや要件定義に基づき、画面設計、機能設計、他システムとのデータ連携の設計、非機能要件設計を行います。
会員サイトの開発
具体的な開発作業(コーディングなど)を行います。
会員サイトのテスト
開発後に設計通り構築されているかテストし、その後に発注元の関係者も参加して事前に想定した運用通りに運用できるかをテストします。
3)公開運用フェーズ
構築した会員サイトを公開し、ターゲットユーザに紹介します。
会員サイトの各種KPI(利用者数、コンバージョン数や率等)や性能的なパフォーマンスなどを定期的に確認し、必要に応じてそれらの改善を行います。
会員サイトは作って終わりではなく、当初想定した通りの結果を発揮しているかを定期的に確認し、改善を試みていくことが大事です。
会員サイト構築の目的例
会員サイト構築を検討している方にとって、会員サイトの目的例を知ることは、自社の会員サイト構築時にも有益でしょう。
以下にその目的例を記述します。この例を参考に自社の会員サイトの目的を明確化してみてください。
もちろん、以下に記載されていない目的で構築しても問題ありません。
目的は複数あっても構いません。なおその場合優先度を明確にしておきましょう。
BtoB企業の会員サイト構築の目的例
商品やサービスの販売
- 個々の会員に適した商品やサービスの提案とその販売
- 会員のプロファイルに応じた各種取引条件提示
リード(営業的お問合わせの)創出
- 個々の会員に適した情報提供とそこからのリード獲得
会員エンゲージメンの向上
- 商品やサービスの紹介やデモ(会員限定動画やスペシャルコンテンツ)
- 教育やトレーニング
- 会員限定の専門情報の提供(競合に見せたくない詳細な技術情報など)
- 各種予約(会員向け施設予約や会員むけサービス予約)
- 顧客要望の収集
- 会員専用お問合わせフォーム
会員からのお問合せ数削減
- 個別の会員からの問合せと回答履歴の表示
- 外部に開示したくないFAQ
顧客利便性の向上
- 会員からの各種申請web受付
- 登録情報のwebでの変更・確認
代理店向け情報提供
- 代理店毎の取引条件の表示
- 発注履歴表示と再購買受付
- 納期情報の提供
- メーカー側担当部署、担当者情報の提供
- 代理店側担当部署、担当者情報の確認や更新
BtoC企業の会員サイト構築の目的例
顧客ロイヤリティの向上
- パーソナライズされた体験(興味関心に基づいた情報提供)
- 会員利便性の向上(購買履歴の確認、ポイント数の確認、各種登録情報の変更など)
- 教育やトレーニング
- 会員向け専門情報の提供(特定商品やサービスに関するより詳しい情報提供)
- 各種予約(会員向け施設予約や会員むけサービス予約)
商品やサービスの販売
- 会員限定価格の提示
- 新製品や新サービスのプロモーション(事前リリース等)
製品登録
- 購入製品の登録
- 消費者情報の登録
- 保守期間の表示、特別保守期間の提供
- マニュアルや取り扱い書の提供
コミュニティー(顧客間コミュニティー)
- 顧客理解をふかめる
- ロイヤリティの醸成
- 顧客相互のアドバイスや情報交換
(顧客側での問いの自己解決)
自社の会員にとって、どのような会員サイトが会員に喜ばれるかといった観点で、目的を考えてみてください。
会員サイト構築の費用
会員サイト構築を検討している方にとって気になるのは、その構築費用でしょう。構築費用は会員サイトの目的や要求事項に応じて大きく変動します。概算費用を関係者や外部ベンダーに確認するうえでも上述の会員サイトの要求事項をまとめておいてからベンダーに確認することがおすすめです。そのほうが見積の正確性が増すでしょう。
会員サイト構築に関する費用に関しては以下の記事にもまとめてありますので、参照ください。
3. 会員サイトの作り方
会員サイト構築を検討している方にとって、構築のステップ、構築の目的、構築費用がおおよそイメージ出来たら、つぎはどのように会員サイトを構築するのかといった作り方の情報が必要になるでしょう。
会員サイトはサイト制作でよく利用されるWordPressなどのCMSをメインに構築する方法と、ASPを活用して構築する方法、そしてフルスクラッチで構築する方法に分れます。
金額的には、CMSを活用したりASPを活用したりする方法の方がフルスクラッチで構築するよりコストを抑えられる場合が多いです。
以下の記事では代表的なCMSを活用した会員サイトを構築する上でのメリット・注意点と、ASPを活用した構築メリットを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回の記事では、会員サイトを構築する際のステップに関してご紹介しました。会員サイトを初めて構築する際の参考になれば幸いです。
また、会員サイト構築に詳しいスタッフに聞いてみたいということもあると思います。弊社では、ASPサービス「クライゼル」を活用した会員サイトや、WordPressを活用した会員サイトの構築をご支援しております。
会員サイトの構築をご検討の際は、お気軽にお問合わせください。