フロントエンド開発におけるライブラリとは?代表例を紹介

フロントエンドライブラリとは? フロントエンド
フロントエンド

フロントエンド開発におけるライブラリとは、特定の機能ごとにまとめられた小単位のプログラムです。多くのアプリケーションに共通する機能は、毎回プログラムを作ることはせず、ライブラリにまとめられた汎用的な機能から実装しています。ここではライブラリの概要と、混同されやすいフレームワークとの違いについて解説します。

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ライブラリとフレームワークの違いとは

フロントエンドとはWebサービス・アプリケーションの、ユーザーが直接見て操作するUI(ユーザ・インターフェース)部分の機能です。UIにはクリックボタンや入力フォームなど多様な機能が実装されています。

これらの機能を多くのアプリケーション開発に利用できるように、まとめられたプログラム群を「ライブラリ」と呼びます。

ライブラリとは

ライブラリとは、アプリ開発でよく使われる機能や処理のプログラムをまとめたものです。システムの構成部品として利用され、単体では動作しません。ライブラリは「図書館」を意味する語句です。図書館に並んでいる専門書のように、用途に応じて必要な機能を選んで使用します。

例えば、カレーを作るときには、お米やカレールー、食器などの部品が必要です。これらの部品を最初から自分で作ろうとすると、手間がかかります。そこで、既製品のカレールーや食材を使うことで、手間を省くことが可能です。このように、ライブラリでも頻繁に使われる機能をまとめることで、アプリ開発の効率を高められます。

フレームワークとは

フレームワークとは、アプリ開発に必要な処理や機能を、システム開発の枠組みとしてまとめたものです。アプリ開発の手順をテンプレートのように規定化し、その規定方式に従っていけば、誰が作成しても一定の機能を備えるように設計されています。

フレームワークは、料理のレシピに例えるとわかりやすいでしょう。例えばカレーのレシピには、ご飯の量やカレーの種類、辛さ、食器の形や大きさ、トッピングなど、ある程度の決まりがあります。これらの規定に従ってカレーを作ることで、誰が作っても一定の味のカレーを作ることが可能です。フレームワークでもアプリ開発に必要な処理や機能を規定することで、アプリ開発の品質を高められます。

フレームワークとライブラリの違い

フレームワークとライブラリは、どちらもアプリ開発に使用される機能や処理を実装しやすくするために、あらかじめプログラムをまとめて体系化したものです。

フレームワークは、開発システム全体のテンプレートを提供します。そのため、フレームワーク自体が開発プログラムとして機能し、テンプレートの枠組みに、ほかのプログラムを組み込んでアプリ開発を行えます。しかし、テンプレートとして枠組みが決まっているため、システム全体の構造を変更する場合には適していません。

ライブラリは、機能ごとにプログラムをまとめた部品です。そのため、別のアプリ開発時にも共通機能の部分には汎用部品としてライブラリを利用できます。また、ライブラリはほかのプログラムとつなげて使用する部品なので、単体では機能しません。

代表的なライブラリ・フレームワーク

フロントエンド開発に使用される、代表的なライブラリ・フレームワークは「React」「Angular」「Vue.js」「Next.js」の4つです。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。

React

react

引用元:https://ja.react.dev/

Reactは、Facebook社(現Meta社)が開発したJavaScriptライブラリです。2013年にオープンソース化され、世界中の開発者によって改良・再配布されています。

Reactは、一つのページに機能を合理的に配置するSPA(Single Page Application)の開発に適しています。

宣言的Viewアプローチ

「宣言的」とは、プログラムの動作を明示的に記述する方法です。「View」とは、UIの画面表示のことです。Reactでは、画面表示に使われるプログラム内に動作が宣言されています。

そのため、ソースコードがシンプルで、不具合発生時の原因の特定が容易です。また、画面操作時の変化を差分更新だけで済ませられるため、SPAに適したライブラリです。

コンポーネントベースの設計思想

「コンポーネント」とは、特定の機能を持たせ、ほかのプログラムと組み合わせて使用する単体のファイルです。コンポーネントベースとは、小さなプログラム部品であるコンポーネントを分割して作成し、必要に応じて組み合わせてアプリを構成する設計です。汎用性の高いコンポーネントを再利用できるうえ、機能変更時に対象部分のコンポーネント変更で済む点がメリットです。

Reactでは、JavaScriptの記述内にHTMLを組み立ててコンポーネントを作成する特徴があります。この場合のJavaScript内のHTMLを「JSX」と呼びます。

一度の学習でどこでも使える

Reactは「Lean Once,Write Anywhere(ひとたび学び、どこでも書ける)」という思想で開発されました。ReactはWebアプリ構築用のライブラリですが、機能の近いフレームワークのReact Nativeとはコードの記述方式に共通点があります。

そのため、これらを学習しておけば、一つの開発言語でiOs、Android両方のアプリ開発が可能です。

現在、Reactは世界的に使用率が増加傾向にあり、今後も活用機会が多いと考えられます。

Angular

angular

引用元:https://angularjs.org/

Angularはgoogleが開発した、オープンソースのフレームワークです。

2012年にバージョン1が、2016年にバージョン2がリリースされ、大きく仕様変更されたことが話題になりました。

Angularの特徴

Angularは、JavaScriptベースのAngular.jsの機能問題を解決するために、TypeScriptをベースに開発されたフレームワークです。そのため、AngularとAngular.jsは互換性がありません。

Angularはモジュール型のアプリケーションであり、NgModulesという独自のモジュール方式を採用しています。モジュールとは、コンポーネントを束ねる仕組みです。Angular自体も複数のモジュールで構成されています。モジュールとコンポーネントは、混同されることがありますが、意味に若干の差異があります。

モジュール:システムへ接合・連結の仕様が標準化され、追加・交換が容易な構成要素
コンポーネント:単なる機能要素や部品としてのプログラム

Angularには「サービス」という機能があります。サービスは、アプリケーション固有の処理やルールを独立分離したタスクに切り分けるものです。これにより、アプリの言語切り替えやチケット購入など、共通処理をまとめることができます。

フルスタックフレームワーク

フルスタックフレームワークとは、Webアプリのフロントエンド開発に必要な機能をすべて備えたフレームワークです。

Angularはフルスタックフレームワークであり、外部ライブラリを導入する必要がなく、共通のツールを使用することで、開発効率や保守性を高められます。また、公式関連のライブラリ機能が多く、プラグインの品質も保証されています。

双方向データバインディング

双方向データバインディングとは、画面操作内容を自動的に画面表示に反映させる機能です。従来のフレームワークでは、画面操作(View)からサイト内ページ内容(HTML)の数値を更新(Model)して表示処理(JavaScript、Controller)を行っていました。

しかし、双方向データバインディングでは、画面操作と内部データを自動的に同期させ、画面表示に反映できます。そのため、UI操作のJavaScript記述を省略でき、開発はシンプルなソースコードで済みます。

生産性が高い

Angularはフルスタックフレームワークであり、開発環境の構築が容易です。

外部ライブラリを導入する必要がなく、一つのフレームワーク内で共通ツールを使用することで、チーム内での理解の共有が容易になり、開発効率が向上します。また、メンテナンスも容易であり、高い保守性を実現することが可能です。さらに、公式のライブラリも多く、プラグインの品質も保証されています。

Vue.js

vuejs

引用元:https://ja.vuejs.org/

Vue.jsとは、WebアプリケーションにおけるUI(ユーザーインターフェース)などの部分を開発する際に使用されるオープンソースのJavaScriptフレームワークです。

仮想DOMにより高速化

DOMとは、HTMLやXHTMLに含まれるテキストや画像などのデータを、オブジェクトとして扱う仕組みです。JavaScriptはテキストや画像をそのまま扱えないため、DOMを使用することで、ドキュメント全体をオブジェクトとして操作できます。

従来は、画面操作のたびに、DOM全体を書き換えて全体を再表示する必要がありました。しかし、仮想DOMを使用すると、差分を見つけて、リアルDOMの変更は差分箇所だけで済ませることが可能です。そのため仮想DOMの導入により、作業量の削減や処理速度の向上などのメリットが期待できます。

データ変更を自動で画面に反映

Vue.jsは、MVCモデル派生のMVVM(Model-View-ViewModel)を採用しています。MVVMは、UIに関するソフトウェアを、Model、View、ViewModelの三層に分割したモデルです。

各層の主な役割は、以下のとおりです。

  • Model:データの管理や内部処理
  • View:画面の表示やユーザー操作の受付
  • ViewModel:ModelとViewの仲介役として、状態変化の反映・Viewの自動更新など

従来のアプリはView処理をActivity内ですべて行うため、重くなりやすいという特徴があります。

シングルページアプリケーションの開発に向く

シングルページアプリケーションとは、最初にページを読み込んだあと、画面操作により必要な部分だけを再描画するアプリケーションです。

ルーティング機能により、サーバーとのデータ通信量を削減することで、高速描画が可能になります。また、仮想DOMの活用により、画面操作のたびに変更した全体のDOMを反映させる必要がないため、さらに高速化が実現できます。

Next.js

nextjs

引用元:https://nextjs.org/

Next.jsとは、Reactをベースに、より高度なアプリケーション構築を目的として開発されたオープンソースのフレームワークです。2016年10月にVercel社から公開されました。

ハイブリッドなレンダリング

Next.jsはサーバサイドのレンダリングに対応しており、ページ単位で事前にレンダリングを行うことで、データ読み込み時のダウンロードファイルのサイズを削減できます。Next.jsでのレンダリングは、以下の3つの方式があります。

SSR(Server Side Rendering)

SSRは、サーバ側でHTMLを生成して、ブラウザに送信する方式です。クライアント側では描画のみを行うため、高速な描写が可能ですが、リクエストごとにHTMLを生成するため、データ量の大きいページではパフォーマンスが低下することがあります。

SSG(Static Site Generator)

SSGは、サーバ側でHTMLを生成して、キャッシュしておく方式です。ページ移動時にすぐに表示できるため、高速な表示が可能ですが、データ更新の頻度が高いページには向いていません。

ISR(Incremental Static Regeneration)

ISRは、SSGと同様にHTMLを生成してキャッシュしておく方式ですが、一定の条件を満たした場合に、自動的にHTMLを更新する機能を備えています。SSGよりも高速で更新頻度が高いページ向けの方式です。

ファストリフレッシュ

ファストリフレッシュとは、ソースコードの変更箇所のみをレンダリングして、ページ全体をリロードせずに変更箇所だけを更新する機能です。Next.jsでは、SSR、SSG、ISRに加えて、CSRでもファストリフレッシュが利用できます。これにより、ページ全体をリロードする必要がなくなりました。

Reactでファストリフレッシュを利用するには、別途ライブラリをインストールする必要があります。一方、Next.jsでは、ゼロコンフィグで最低限の機能が自動設定されます。

優れたカスタマイズ性

Next.jsは、ゼロコンフィグで簡単に導入できますが、詳細設定も可能です。

具体的には、next.config.js ファイルの作成や、webpack設定の追加などがあります。また、React のルーティング設定が容易にできるほか、レンダリングの使い分けも可能です。さらに、Next.jsはReact をベースとしているため、普及に伴ってサイドジェネレーターとしての用途が拡大していくことが予想されます。

その他の注目ライブラリ

ここまでは比較的知名度の高い、代表的なライブラリ・フレームワークをピックアップしました。このほかにも、開発に役立つ便利なライブラリは豊富に存在します。

ここでは、「D3.js」「Underscore.js」「Lodash」「jQuery」の4つを取り上げます。

D3.js

D3

引用元:https://d3js.org/

D3.jsは、2011年にリリースされた、データを視覚化するJavaScriptライブラリです。データの加工・集計・視覚化に特化しており、グラフやチャート、ヒストグラムなどをHTML・CSSやSVGで作成できます。SVGはドットを使わないベクター形式の画像ファイルで、拡大しても画質が劣化しません。

D3.jsはオープンソースで、コミュニティの規模も大きいため、使用中に困ったことがあれば、すぐに解決できます。

Underscore.js

underscore

引用元:https://underscorejs.org/

2009年にリリースされたUnderscore.jsは、JavaScriptのコーディングをシンプルでわかりやすくするライブラリです。関数の種類が豊富である点が特徴的です。

「Arrays」「Objects」「Collection」「Function」の4カテゴリ、100種以上の関数により、自由度の高い配列やオブジェクト操作が可能となっています。

JavaScriptのコードは複雑化しやすく、特に慣れないうちは混乱してしまいがちですが、Underscore.jsを活用することで、コードをシンプルにできます。また、ほかのライブラリとの連携も簡単に行うことが可能です。

Lodash

lodash

引用元:https://lodash.com/

Lodashは、Underscore.jsの上位互換とも呼ばれる、JavaScriptのユーティリティライブラリです。配列、オブジェクト、数値の操作をまとめて担い、JavaScriptのコード記述を簡素化します。

LodashはUnderscore.jsの開発者が開発に携わっており、両者は機能面でも似ています。また、数学演算やスロットル、デバウンスといった機能を実装でき、JavaScriptでの効率良いWebアプリ開発を実現します。

jQuery

jquery

引用元:https://jquery.com/

jQueryは、2006年にリリースされた、歴史あるオープンソースライブラリです。登場して間もなく、世界中のエンジニアに使われ始め、不動の人気を誇るJavaScriptライブラリとして広く普及しています。

jQueryは「Write less, do more.(より少なく書いて、より多くのことをする)」というキャッチコピーどおり、シンプルで多機能なライブラリです。マルチブラウザに対応しつつも、軽量で動作性能に優れたAPIは、扱いやすさと汎用性の高さを両立させます。またHTMLドキュメントの編集やトラバース、イベントハンドリングなど、JavaScriptの基本的な機能を簡単に実装可能です。ほかにも、プラグインによる拡張性も高く、さまざまな用途に活用できます。

まとめ

フロントエンド領域での開発を効率良く、そして快適にするライブラリについて解説しました。各ライブラリには魅力的な機能が数多く備わっており、それぞれ特徴があります。

これらを用途に応じて使い分けられるようになると、エンジニアとしての能力に磨きがかかるでしょう。

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服部誠

トライコーン(株)取締役兼マーケティング統括。
Web広告、CRM、CDP、データ可視化などお客様のwebマーケティングの課題解決に長年従事。
Salesforce Marketing cloud メールスペシャリスト / アドミニストレータ / コンサルタントおよび、Salesforce アドミニストレータの各認定資格を保持。

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