ローコード開発のデメリットは、実現したい開発が100%はできない事がある点です。ゼロからプログラムを書くスクラッチ開発のように、すべてをカスタマイズできる訳ではないので、プラットフォーム側の制約を受けることがあります。
この記事では、ローコード開発のについてのデメリットと注意すべき点について記載しています。
会員サイト作成、Webフォーム作成、顧客管理を低予算で行いたいときには、CRMプラットフォーム「クライゼル」をローコード開発ツールとしてご利用することもおすすめです。合わせてチェックしてください。
ローコード開発の概要
ローコード開発は、アプリケーション開発やソフトウェアの開発において、高度なプログラミングスキルを持たない人でもシステム構築できるようにするための手法です。
メリットとしては、開発コストの削減が期待できます。
ローコード開発のデメリット(欠点)とは
ローコード開発の欠点とは、冒頭でも触れたように、実現したい開発が100%はできない事がある点です。ローコード開発ツールを使う場合には、大まかなシステムを作成するのは簡単で、時間やコストの削減になりますが、独自の細かい使い方や設定には弱い部分があります。
実現したいシステムが大規模で複雑であるほど、ローコード開発ツールの導入には慎重に行う必要があります。この説ではデメリットとそれぞれの注意すべき点をご紹介します。
メリットについては、下記記事で記載しておりますので、合わせてご覧ください。
機能制限・仕様
導入するツールの機能制限や、機能制限が追加料金で利用できる機能なのか、不可能な機能なのか、確認する必要があります。
様々な利用制限を解放することで、膨大なランニングコストがかかり、TCO(Total Cost of Owenership)の面でも、スクラッチ開発の方が安く上がるという事がないように、気を付けましょう。
ツールの機能について過不足があるかどうか判断するために、下記のようなツール評価シートを作成すると良いでしょう。
上記シートは、メール配信ツールを評価する場合のチェックシートです。必要な機能や実現したい事を機能別で項目に書き出し、評価軸を記入します。評価については〇△✕か、1~5の点数で入力する事が多いです。
このようなチェックシートは、複数あるツールの中から一つに絞る場合にも有効ですし、社内承認を得る際の資料としても有効です。
ツール独自の学習コスト
ツール独自の仕様や、どの機能をどうやって実装するのか。ツール自体の学習が必要になります。
例えば、プラットフォーム独自の認定資格が存在する場合もあります。ツール自体の機能や仕様などを理解している証明となる資格なので、ベンダー側が取得することが多いでしょう。このように認定資格が存在するほど、使いこなすには学習コストがかかる可能性もあります。
学習コストがどれだけ必要になりそうか判断するには、ツールのお試し利用が有効です。実際に使う担当者にツールを一定期間利用してもらい、ツールの使用感や行いたい事が実装できるか検証をしてもらう機会を設け、導入の最終決定をすると良いでしょう。
システムの乱立
全社で利用する場合や、複数の部門でツールを利用する場合、ローコードでカンタンに開発できるからとシステムが乱立することもあるでしょう。これを防ぐには、ツールの中での権限管理やアカウント管理が必要になります。
システムが乱立してしまうと、データの一元管理が難しくなり、データの整合性や統一性が損なわれ、正確な情報の把握が出来なくなります。また、業務プロセスが複雑化する場合があります。
システムの乱立を防ぐには、ツールの管理者を設け、それぞれのアクセスや機能の権限管理を行い、運用すると良いでしょう。そのような運用にはツール側の権限管理機能が必要になりますので、アカウントや権限管理ができるツールを選ぶことも大事な指標です。
基幹システム、利用中のシステムとの連携性
基幹システムや、利用中のシステム、利用中のサービスと連携ができない場合、連携ができるサービスを利用するか、自社システムの改修を行う必要があります。
必要な連携ができない場合、ワークフローの断片化され、作成したシステムの孤立化が起こり、ワークフローや業務効率が落ちることもあります。
連携が必要なワークフローや機能について、ツール導入前に確認しましょう。
ベンダーロックインの可能性
ベンダーロックインとは、あるベンダーの製品やサービスを採用し、そのソリューションサービスやプラットフォームに強く結びついてしまうことで、将来的な変更や移行が難しくなる状態を指します。
ベンダーロックインが起こることにより生じる、4つの問題は以下です。
- 技術的な制約: 特定のベンダーの技術やプロトコルに依存しているため、他のベンダーのソリューションとの互換性が低くなる可能性があります。
- コストの増加: ベンダーロックインが解消される際には、新しいシステムへの移行やデータの変換が必要となり、これには追加のコストがかかる可能性があります。
- 柔軟性の低下: 新しい技術やイノベーションへの採用が難しくなり、競争力や柔軟性が低下する可能性があります。
- サポートの制約: 特定のベンダーがサポートを提供しなくなったり、価格を引き上げ予算内に収まらない問題が生じる可能性があります。
ベンダーロックインを防ぐためには、
- 連携性が高く、拡張性の高いツールやプラットフォームを選択する事
- ベンダーとの契約条件を慎重に検討する事
- 定期的なベンダーの見直し
- 社内でもナレッジ共有する体制を作る
等を行い、依存性を高めすぎないように努めましょう。
コスト面
ローコード開発ツールにより、料金体系が異なります。アカウントのユーザー数課金や、データの重量型課金などなど。利用する目的やツールを利用する管理人数に応じて、どのような料金体系がベストなのか、シミュレーションを行いましょう。
さらに、将来的にシステムや事業が大きくなった場合も想定して、シミュレーションを行うと、不測の事態にも柔軟に対応できるでしょう。
ローコード開発プラットフォームの例
ローコード開発プラットフォームは、ピックアップすると下記のようなサービスがあります。
- Microsoft Power Apps(マイクロソフトパワーアップス)
- OutSystems(アウトシステムズ)
- Appian(アピアン)
- Mendix(メンディックス)
- Salesforce(セールスフォース)
- kintone(キントーン)
- kreisel(クライゼル)
それぞれのプラットフォームについて、下記記事で詳しく記載していますので、合わせてご覧ください。
自社に適した顧客管理をローコード開発で
会員サイト作成、Webフォーム作成、顧客管理を低予算で行いたいときには、CRMプラットフォーム「クライゼル」をローコード開発ツールとしてご利用することもおすすめです。
データベースサービスを基盤とするCRMであり、フロントエンドの知識があればカンタンに会員サイト(マイページ)、Webフォームを作成いただけます。
アカウントの権限管理はもちろん、各機能の権限設定や権限付与の機能も充実しています。