Marketing Cloud Personalizationのサイトマップとキャンペーンの概要について説明します!

Marketing Cloud Personalizationのサイトマップとキャンペーンの概要について説明します!
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この記事の著者
トライコーンラボ編集部

1996年創業のトライコーン株式会社。デジタルソリューションを通じて多様なビジネス課題を解決し、企業のDX推進を支援するIT企業です。創業28年のノウハウやBtoBマーケティングの専門知識を活用し、DXを促進する情報を提供しています。

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はじめに

前回の記事では、Marketing Cloud Personalization の初期設定とオブジェクトの設計方法について簡単にご紹介いたしました。

今回は、Marketing Cloud Personalization のサイトマップとキャンペーン・テンプレートについてご紹介いたします。

全4回に渡って Marketing Cloud Personalization の概要説明から導入方法の紹介を行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。

第1回 → Marketing Cloud Personalization の全体概要
第2回 → Marketing Cloud Personalization の初期設定とオブジェクトの設計方法
第3回 → Marketing Cloud Personalization のサイトマップとキャンペーン開発(本記事)
第4回 → Marketing Cloud Personalization のデータ連携とテスト方法

Marketing Cloud Personalizationのサイトマップ、キャンペーンとは?

Marketing Cloud Personalizationのサイトマップ、キャンペーンとは?

サイトマップとは 、Webサイトにユーザがアクセスしたときに、そのユーザの情報を Marketing Cloud Personalization に送信するように構成された JavaScript のことです。

サイトマップを編集することによって、訪問したサイトやユーザの属性情報、カートに入れた商品など様々な情報を収集することができます。

また、JavaScript の関数を使用することによって、特定のページの閲覧情報のみを収集することや、特定のボタンをクリックしたタイミングで情報を収集する等、条件を細かく指定することもできます。

このように特定の条件に基づいてカテゴライズされたページ群をページタイプと呼びます。

また、サイトマップを利用することでユーザの情報を収集するだけでなく、その情報を元にWebサイト上にユーザのエンケージメントを高めるパーソナライズされたコンテンツを表示することができます。

例えば、あるユーザがECサイトにおいて女性用の化粧品をいくつか閲覧してからサイトを離脱し、翌日になって再度訪れたとします。

Marketing Cloud Personalization では、女性がECサイトを再訪したタイミングで画面上部にこのユーザが興味を持つであろう新商品の画像のポップアップを表示させることができます。

この施策によってユーザは自分にとって興味のあるコンテンツをサイトを回遊することなく知ることができ、満足度が向上します。

Marketing Cloud Personalization において、この「閲覧履歴からおすすめの商品をレコメンドする」イベントのことをキャンペーンと呼び、「キャンペーンが表示される領域」のことをコンテンツゾーンと呼びます。

なお、上記の例はあくまでWebキャンペーンと呼ばれるキャンペーンの1種であり、またWebキャンペーンの中にも複数のバリエーションが存在します。

Marketing Cloud PersonalizationのWebキャンペーンとテンプレートについて

Marketing Cloud PersonalizationのWebキャンペーンとテンプレートについて

Webサイトで行うキャンペーンをWebキャンペーンと呼び、Webキャンペーンでは、ユーザの属性情報、行動等様々な条件によってパーソナライズされたコンテンツを提供することができます。

Webキャンペーンの内容を決定する要素としては以下のようなものがあります。

  • コンテンツゾーン
  • テンプレート
  • キャンペーン種別

キャンペーンを行う際には、サイトマップで対象のページタイプ配下にコンテンツゾーンを定義した後、そのコンテンツゾーンに配信したいテンプレートを適応します。

Webキャンペーンのテンプレートには様々な種類がありますので、代表的なものをいくつか紹介します。

行いたいキャンペーンに応じて、適切なテンプレートを選択するようにしましょう。

テンプレート名概要と使用例
Banner with call-to-action

サイトのヒーローエリア上でパーソナライズされたコンテンツを提供します。
ファーストビューでユーザに大々的に表示させることができることから以下のような使用例が考えられます。

まだ会員登録していないユーザに向けて会員登録を促す(非会員にはトップページでの宣伝が一番リーチできます)

・以前イベントに参加したユーザがトップページを訪問した際に、次回のイベントの日程と画像を表示する

chatbot

サイト内でチャットボットを表示させます。チャットボットの表示に関しては、様々な条件指定が考えられます。
例えば、以下のような例が考えられます。


・一定時間サイトを離れずに時間を費やしているユーザに向けて、時間経過をトリガーにチャットボットを表示する
・半分以上スクロールダウンした段階でチャットボットを表示する
・初めてログインしたユーザにチャットボットを表示する


また、チャットボットでの問い合わせ履歴は Marketing Cloud Engagement 等の外部のチャットボットと連携することもでき、ユーザの問い合わせ履歴の管理等を行うこともできます。

Einstein product recommendations

ECサイト等でユーザに向けた商品のレコメンドに使用します。使用例としては以下のようなものが考えられます。


・会員登録をしていないユーザやまだ未購入のユーザに対しては、多くのユーザによく売れている商品を表示する
・例えば、ノートPCの詳細ページでは追加購入しやすいHDMIケーブルの商品を表示させるなどして、同時購入を促す
・例えば、30日分のサプリを購入したユーザに残りがなくなりそうな期間でサプリの画像を表示させ、継続購入を促す
    Infobar with call-to-action

    サイト上にバーを表示させます。使用例としては以下のようなものが考えられます。

    ・期間限定セールの通知を行い、期限までのタイムリミットを表示する
    ・締切が迫っているイベントやセミナーの通知を行い、バーには登録先のリンクを記載する
      Slide-in with call-to-action

      サイト内でスライドインメッセージを表示させます。

      チャットボットと同様にページ閲覧時間や、スクロール深度等で条件指定して表示させることもできます。

      使用例としては、Infobar with call-to-action と同じようにタイムセール等での使用が考えられます。

      また、キャンペーン種別には以下の2つがあります。こちらもキャンペーンの目的や用途に応じて適切な方を選択します。

      キャンペーン種別概要
      A/Bテストキャンペーンキャンペーンの内容をいくつかのグループに分けて、各グループごとにパーセンテージを設定します。
      その値に応じてランダムに、サイトを訪れたユーザにキャンペーンを表示します。
      ユーザの行動や属性情報による影響を受けず、ランダムに割り当てられることから、これを利用してキャンペーンの内容に関するA/Bテストを行うことができます。
      例えば、2種類の割引クーポンを表示させることで、クーポンの画像によって効果に差があったかどうかのテストをすることができます。
      ルールベースのテストキャンペーン表示するキャンペーンのターゲティング(タイミングや場所、ユーザのセグメント等)をルールベースで完全にコントロールします(このルールのことをキャンペーンルールと呼びます)。
      キャンペーンルールには以下の2種類があります。

      ・キャンペーンターゲティングルール
      ・キャンペーンエクスペリエンスルール

      キャンペーンターゲティングルールは A/B テストキャンペーンでも使用できますが、キャンペーンエクスペリエンスルールはルールベースのテストキャンペーンでのみ使用できます。
      キャンペーンターゲティングルールは、デバイス別、時間、ページといったカテゴリで表示を制御できます。
      キャンペーンエクスペリエンスルールは、ユーザの場所、天気、イベントアクションなどに基づいて各エクスペリエンスの対象条件を制御します。
      キャンペーンエクスペリエンスルールは複数のルールを設定でき、複数のルールの対象になった場合に、どのルールを採用するかなどの優先順位を設定することもできます。
      Marketing Cloud Personalization の様々なチャネルでのキャンペーンについて

      Marketing Cloud Personalization の様々なチャネルでのキャンペーンについて

      キャンペーンにはWebキャンペーン以外にもいくつか種類があります。以下に簡単にいくつか概要を紹介します。

      キャンペーン概要
      サーバーサイドキャンペーンサーバーサイドキャンペーンでは、外部システムのサーバーが Marketing Cloud Personalization のサーバーサイドキャンペーン API を呼び出し、ユーザID等のユーザに関する情報を提供します。
      与えられた情報をもとに、Marketing Cloud Personalizationではキャンペーンのロジックを処理し、その訪問者に適用されるレコメンデーション等のキャンペーンに関するデータを再びサーバー側に返します。
      サーバー側ではこの与えられた情報を使って、外部システム内でキャンペーンを行うことができます。

      使用例としては、例えば以下のようなものが考えられます。
      ・Marketing Cloud と連携し、Marketing Cloud Engagement の Journey Builder のカスタムアクティビティでサーバーサイドキャンペーンから取得したユーザの属性情報を使って、判断分岐等に使用する。
      ・アプリ内で、決済のタイミングでPOSシステムにサーバーサイドキャンペーンからユーザの属性情報を連携し、追加で購入しやすい商品をレコメンドで表示する。
      トリガーによるキャンペーンユーザ側のアクションや商品側の情報の変更等を起点としてキャンペーンを行うことができます。
      ユーザ側のアクションとしては例えば、カート落ちやページの途中離脱等があります。
      商品側の情報の変更としては例えば、新商品の登場、タイムセール等があります。
      また、Marketing Cloud EngagementのJourney Builderとリアルタイムに連携することができ、エントリイベントとして使用することができます。
      オープンタイムメールキャンペーンメールチャネルでのキャンペーンで、ユーザがメールを開封するタイミングでパーソナライズされたコンテンツやレコメンデーションを提供することができます。
      レコメンドのロジックは、コードを書く必要はなくMarketing Cloud PersonalizationのUI上の操作で様々なロジックを作成することができます。
      レコメンドする商品は一定間隔でランダムに並び替えることができ、ユーザにはメールを開封するたびに内容を変化させることができます。

      まとめ

      今回はMarketing cloud Personalizationを始めるに当たって土台となるサイトマップと、キャンペーンについて紹介しました。

      全体像をつかもうとしても覚える範囲がかなり多く、取っ掛かりが中々難しい箇所だと思いますが、今回の記事が理解のお役に立てれば幸いです。

      もし Marketing Cloud Personalization の理解が進まないとお困りのようでしたら、専門の外部パートナーを頼ることもご検討ください。

      トライコーン株式会社は、Marketing Cloud Engagement のコンサルタントや開発者の認定資格や、Marketing Cloud Personalization の認定資格を有したプロフェッショナルがお客様の導入を強力にバックアップする体制を整えております。

      導入段階・運用段階どちらにおいてもお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

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