Salesforceは、幅広い企業で利用されているクラウドベースのSFA/CRMプラットフォームです。営業・マーケティングだけでなくカスタマーサポートなど、多様な部門で活用されています。
そのため、Salesforce内に多くのお客様データが格納されています。それらデータに対してカンタンに低コストで情報配信する方法としてメールの一斉送信はとても有効です。
そこで今回は、Salesforce上の顧客データに対してメール配信を行う5つの方法の紹介とそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
なお、弊社ではSalesforce専用のメール配信アプリ「Autobahn for AppExchange」をご提供しています。Salesforceからメールを送信する際の制限を気にすることなくメールの一斉送信が可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
くわえて、Salesforceからメールを配信する場合でも、Googleが2023年10月に 発表した「メール送信者のガイドライン」にそって配信することが必要です。その点に関ししても触れてご紹介します。
Salesforceからメールを一斉送信する際によくある課題TOP5
弊社にお問合わせいただくよくある課題TOP5は以下の通りです。
- 1日に5000通以上のメール配信したいが、Salesforceの制限で1日5000通以上配信できない。
- 1回の配信操作で200通しか配信できないので、配信作業の工数がかかり不便。
- Salesforceと連携するMAを使ってメール配信しているが、メルマガ配信でしか使っておらずMAコストが負担。
- カスタムオブジェクトに顧客メールアドレスを格納しているが、Salesforce標準機能ではカスタムオブジェクトの顧客にメール配信できない。
- メール中のリンクや資料DLリンクをクリックした人のレコードに、それらの履歴を残したい
Salesforceの標準のメール配信方法ではこれらが課題になっています。
弊社ではこれらの課題を解決できるSaleforce専用メール配信アプリ「Autobahn for AppExchange」をご用意しています。ぜひご確認ください。
Salesforceからメールを一斉に送信する5つの方法
この記事では以下の5つの方法に関して記載します。
- リストビューからリストメール送信(Salesforce標準機能)
- キャンペーンからリストメール送信(Salesforce標準機能)
- Autobahn for AppExchangeを利用したメール送信
- MA(Marketing Automation)を利用したメール送信
- 外部のメール配信サービスを利用したメール送信
リストビューからリストメール送信(Salesforce標準機能)
リストビューとは
リストビューとは、Salesforce内にあるデータを任意の条件で一覧表示することが出来る機能です。任意の条件で絞り込みが可能です。
リストビューからリストメール送信の画面イメージ
例えば、取引先責任者をリスト表示して、その中で特定の会社(=取引先)に属す複数人にメールを一斉送信したい、といったことはよくあるとおもいます。その場合、リストビューで特定の取引先を選択して、右上のリストメール送信をクリックします。
![リストビュー](https://i0.wp.com/media.tricorn.co.jp/wp-content/uploads/2024/07/f99620e6e0803280e5cbd37f9ae44f31.png?resize=1024%2C295&ssl=1)
そうすると、以下のような「リストメールの送信」ポップアップ画面が表示されます。宛先は既に選択されていますのでメールの表題や本文を入力して送信します。なお、リストメールを送るにはリストメール送信権限が必要ですのでご自身のsalesforceアカウントからリストメールを送れない場合は自社のSalesforce管理者にお問合わせください。
![リストメールの送信](https://i0.wp.com/media.tricorn.co.jp/wp-content/uploads/2024/07/5c009fa487e936585dc5ba14bae0e4f6.png?resize=708%2C584&ssl=1)
メリット・デメリット
メリット
- 一斉メール送信がとにかくカンタンにできる
- 無料で利用できる(Salesforce標準機能)
- 文面内に、宛先のお名前や企業名などを差し込み可能
- 条件を絞って配信できる
デメリット
- リストビューからの送信は1回200件までしかおくれないかつ1日合計5000通まで
- リストビューからメール送信したい相手を選ぶので、送信先が増えると手間がかかる
- 配信できるオブジェクトがリード/取引先責任者/個人取引先のみ
- メールを送った顧客のアクション(商談発生など)を測定しにくい
- メールを送った後に、再度そのリストにメールを送信することが困難
キャンペーンからのリストメール送信(Salesforce標準機能)
キャンペーンとは
Salesforceのキャンペーン機能とは、メールの一斉送信や展示会などのマーケティング活動によって発生した見込み客の反応(商談数など)を詳細に追跡するためのSalesforce標準のツールです。
キャンペーンからのリストメール送信の画面イメージ
例えば、キャンペーンを作成して、そこにリードや取引先責任者を登録します。キャンペーンに登録されたリードや取引先はキャンペーンメンバーとして、キャンペーンに登録されます。
下図では「新サイトのお知らせ」という名前のキャンペーンに、リードや取引先から12名が登録された状況です。キャンペーンメンバー登録後右上のリストメール送信をクリックします。
![キャンペーンメンバーからリストメール送信](https://i0.wp.com/media.tricorn.co.jp/wp-content/uploads/2024/07/08aa06b6755c59ca57f612dae5952c1e.png?resize=1024%2C373&ssl=1)
そうすると、上述と同じ「リストメールの送信」ポップアップ画面が表示されます。宛先は既にキャンペーンで選択されていますので、メールの表題や本文を入力して送信します。
なお、キャンペーンを利用するにはキャンペーンの利用権限が必要ですのでご自身のsalesforceアカウントでキャンペーンを利用できない場合は自社のSalesforce管理者にお問合わせください。
メリット・デメリット
メリット
- 無料で利用できる(Salesforce標準機能)
- 送信先データをインポートやレポートを使って一括でキャンペーンに追加できるのでメールを一斉送信する顧客データを作成しやすい(ただし、一日あたりに最大5000通までしか送れません)
- 一斉メール送信した顧客のアクションを追跡しやすい(どのキャンペーンのキャンペーンメンバーに含まれる人が商談化したなどのデータが得られやすい)
- 一斉メール送信後、再度そのグループにメール送信をすることが容易
デメリット
- 1日あたり5,000通までしか配信できない
- 配信できるオブジェクトがリード/取引先責任者/個人取引先のみ
- メール送信エラーになった人を一覧で確認できない
Autobahn for AppExchangeを利用したメール送信
Autobahn for AppExchangeとは
![Salesforce専用メール配信アプリ|AutobahnforAppExchange](https://i0.wp.com/media.tricorn.co.jp/wp-content/uploads/2023/04/logo-autobahn-for-appexchange.jpg?resize=262%2C150&ssl=1)
Salesforceと完全連動したメール配信アプリケーションです。カスタムオブジェクトを含むSalesforce内のデータからメールの一斉送信先を選定・抽出してメール送信できます。AppexchangeというSalesforce公認のビジネスアプリマーケットで購入いただけるサービスですので安心してご利用いただけます。
Autobahn for AppExchangeの資料ダウンロードはこちらから
Autobahn for AppExchangeの画面イメージ
アプリとしてSalesforceにインストールいただく形となっています。
Salesforceの画面上で、文面設定から配信予約まで行うことが可能です。
![autobahnメール送信画面](https://i0.wp.com/media.tricorn.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/autobahn-email.png?resize=1230%2C638&ssl=1)
一斉にメール送信した後、受信した方のレコードを見ますと
以下のように、活動履歴に本人が開封やクリックなどをしたことを記録できます。ですので、クリックした人だけをリストして、フォローアップを行うといったことも可能になります。
またスコアリング(受信者の行動に応じて、専用の数値項目に自動で点数を加算する)機能も備わっていますので、見込みの高い(スコアが高い)お客様を割り出すことが可能です。
![autobahnメール反応スコアを利用しスコアリングをする画面](https://i0.wp.com/media.tricorn.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/autobahn-scoring.png?resize=1230%2C618&ssl=1)
メリット・デメリット
メリット
- すべてのオブジェクトに配信可能
- 配信件数に上限がない
- エラーメールを一覧で確認できる
- オプトアウト(配信停止)の申請を受け付ける機能を標準装備
- ステップメールの配信が可能
- 開封やクリックの記録・スコアリングが可能
デメリット
- 有償サービス(料金は資料からご確認ください。MAよりは安価です)
- MAで実行するような複雑なシナリオ送信するにはハードルがある
MA(Marketing Automation)を利用したメール送信
MAとは
文字通り、マーケティングを自動化するためのツールです。
顧客データの収集から分析、営業担当への通知、メール配信などを自動で行います。
Salesforceとデータ連携できるMAも提供されており、例えば
セールスフォース・ドットコムが提供するMarketing Cloud Account Engagement(旧名称Pardot)やMarketing Cloudなどがあります。
メリット・デメリット
※MAの種類やエディションによって異なります。
メリット
- メールの一斉配信に加え、複雑なシナリオに沿った自動配信も可能
- スコアリングなどの機能が充実
- フォームやLPを制作する機能が備わっている
デメリット
- メール配信アプリと比較すると、金額が高い傾向にある
- 高機能な半面、導入時の要件定義などに工数がかかる
- 導入支援ベンダーに導入支援を依頼するのが一般的
外部のメール配信サービスを利用したメール送信
Salesforceとのデータ連携工数がかかりますが、外部のメール配信に特化したメール配信サービスを利用する方法です。
既に自社で専用のメール配信サービスを利用している場合、それを使うことで使い慣れたUIでメール配信をすることができます。
弊社が提供しているクライゼル ライトプランなら月額1万円で利用できるメール配信サービスです。この料金でwebtoリードやwebtoケースのフォームもカンタンに作成できます。
ご興味あれば、こちらからカタログ(機能/料金表)をダウンロードください。
メリット・デメリット
メリット
- 安価
- メール配信に必要な機能がそろっている
デメリット
- Salesforceからデータをcsvファイル等で連携する必要がある
- メールクリックデータを使った営業を行うには手間がかかる
Gmailガイドラインへの対応について
さて、冒頭で紹介した通りSalesforceからメールを配信する場合でも、Googleが2023年10月に 発表した「メール送信者のガイドライン」にそって配信することが必要です。
「メール送信者のガイドライン」では、2024年2月以降、1日あたり5,000件以上のメールを送信する場合、以下3つの対応が必要となりました。
送信メールを認証すること
メールの送信元を明示して、なりすましメールやスパムメールではない事を証明するための設定です。送信元について、送信ドメイン認証(SPF、DKIM、DMARC)と、メール送信時のTLS接続が求められています。
送信メールの認証には送信元(お客様側)の作業も必要になります。Autobahn for AppExchangeをご利用のお客様は弊社サポートデスクでこれらの設定のサポートも可能です。
未承諾のメールまたは迷惑メールを送信しないこと
メールの受け取りを承諾しているユーザーにのみメールを送信するようにすれば、その送信元ドメインからのメールが迷惑メールとして報告される可能性が低くなります。
ドメインからのメールが迷惑メールとして報告される頻度が高いと、以降のメールは迷惑メールに分類される可能性が高くなります。迷惑メールの報告に応じて、ドメインの評価が次第に下がっていく可能性がありますので気を付けましょう。ドメインの評価は Postmaster Tools を使用して監視できます。
受信者がメールの配信登録を容易に解除できるようにすること
受信者がメールの配信登録を簡単に解除できる方法を常に用意する必要があります。1 日に 5,000 件を超えるマーケティング目的のメールや配信登録されたメールを送信する場合は、ワンクリックでの登録解除に対応する必要があります。(List-Unsubscribeヘッダの実装)
これらは迷惑メールを防ぐための手続きです。これに準拠してメール配信しないとGoogle側で迷惑メールと判断される可能性が高く、メールが届かない、メールがタイムリーに受け取られないなどの影響が出てきます。
よって、すべてのメール配信をする事業者(企業・団体)が準拠すべきガイドラインです。
さらに詳細な記述はこちらの記事を参照ください。
まとめ
Salesforce内のデータにメールを一斉送信する5つの方法に関してご説明いたしました。
それぞれのポイントを表にまとめました。メール送信を検討する際にご利用ください。
方法 | コスト | Salesforce との連携 | 利用シーン |
リストビューから リストメール送信 | ◎ | ◎ | アドホックに200通以下のメール一斉送信 |
キャンペーンから リストメール送信 | ◎ | ◎ | マーケティング等の施策としてメール一斉送信(5000通/日以下) |
Autobahn for AppExchange | 〇 | ◎ | マーケティング等の施策としてメール一斉送信(5000通/日以上) メールクリック者に対するアプローチ |
MA | X | ◎ | 複雑なシナリオメール配信 webアクセストラッキング |
外部メール配信サービス | 〇 | X | 既存のメール配信サービスに慣れている場合 |
Googleのメール送信者ガイドラインが制定され、多くのメール配信事業者がそのガイドラインを準拠することによりメールの到達率が高まり、事業者が今後さらにメールを活用してコミュニケーションを図っていくでしょう。その際、重要なことは、お客様にとって価値ある情報をお送りすることです。また、メールマーケティングのPDCAを回し続けてメールの一斉送信の価値を高めていく必要があります。
弊社ではメールマーケティング支援サービスをご提供しております。メールマーケティングに関してお困りごとございましたらお気軽にご相談ください。